【警備の仕事=体力勝負?】実は体力なくても大活躍!
2020年3月30日
「警備の仕事」と聞くと、多くの人がまず頭に浮かべるのは「屋外でずっと歩き回って体力勝負」なイメージ。
でも実際は、それだけじゃないんです。体力に自信がない人でも“武器”を持って戦える現場は増えています。
以下では、現時点の最新警備業界の動向・統計データを交えつつ、体験談・比較・Q&A形式で、「体力なしでもできる警備仕事」のリアルを紐解きます。
■警備業界は体力的にキツいというのは本当?
警備業界は体力が必要だと考えられがちですが、グリーン警備の場合、実際はその限りではありません。むしろ、体力に自信がない人でもしっかり続けられるお仕事もたくさんあります。警備の現場や業務内容はとても幅広く、体を酷使するものはほんの一部です。
また、警備のお仕事には体力以外のスキルが求められる場面も多くあります。そのため、体力が無いから警備のお仕事ができないという風に考えなくても大丈夫です。
■現場によってはシニア世代の方や女性の方達も大活躍中
グリーン警備はもちろんのこと、警備業界全体で見ても、実はシニア世代や女性の方々の需要が多いです。逆に警備業務の中には、「女性やシニアだからこそ活躍できる」場面も多々あります。ここでは、シニア世代や女性が活躍できる理由や局面についてあげていきます。
・短時間勤務も可能な交通誘導警備で安心
グリーン警備のお仕事の中でも、現場に出入りする人員や車両の他に、一般の通行人や車両を誘導する「交通誘導警備」の場合、現場が定時よりも早く終了する場合もあるため、勤務が短時間で済むこともあります。(その場合でも、お給料に関しては定時まで勤務したのと同額になります)
さらに、他の業務形式(施設警備など)でも同様ですが、無理せず体に負担をかけない働き方も可能です。もちろん、体力が心配な方でも続けやすいでしょう。
・施設やオフィスビルの顔ともなる警備業務
近年、グリーン警備だけでなく警備業界全体で女性警備員の需要がとても高くなっています。これは、施設やオフィスビル、マンションなどの警備を行う際、女性警備員が配置されている方が訪れる人に柔らかいイメージを与えられるためです。また、女性が活躍できる現場はおのずと屋内になることが多く、体力を消耗する心配もあまりありません。
今も、警備員=体力勝負というイメージがあるため、女性警備員の数はまだまだ少ないですが、女性だからこそ無理なく活躍できる現場はたくさんあるので、今後も女性警備員のニーズは増えていくと考えています。
◆業界の規模と構造変化
日本の警備業界の売上高総額は 約4兆円 程度とされており、堅調に推移しているとの報道があります。
ただ、最大手2社が売上全体のかなりの割合を握りつつあり、寡占化傾向が指摘されています。
[出典:株式会社東京商工リサーチ tsr-net.co.jp ]
この背景には人手不足・賃金上昇・中小業者の淘汰リスクなどが絡んでおり、より「質の高い警備人材」を求める声も強まっています。
[出典:株式会社東京商工リサーチ tsr-net.co.jp ]
■警備業務の種類と内容
警備業務は、大きく4つに分類することができます。その中には必ずしも体力が必要ではないものも含まれています。ここではグリーン警備のメイン業務となる「2号警備」をはじめ、他の4つの警備業務についても紹介します。
・「1号警備」は施設の警備が主
「1号警備」と呼ばれる警備業務は、主に商業施設の警備を行うものです。施設内で盗難などのトラブルを未然に防ぐほか、不審者の侵入なども厳しくチェックします。「1号警備」の現場は主に屋内ですから、暑さや寒さ、雨や雪などの気候や天候に影響されることなく、体力の消耗も少ないです。
・交通誘導・整備がメインの「2号警備」(グリーン警備ではこちらの業務が中心となります)
「2号警備」は、交通誘導などの警備業務を主とする分類です。屋外の仕事となるため、時期によっては多少の辛さも伴いますが、人と接触する機会が少ないためトラブルに遭遇することが少ない傾向です。加えて決まった場所で業務を行うことから、移動による体力の消費も最低限で済みます。
・「3号警備」は貴重品など財産を守る
警備業務の中でも、現金や宝飾品など貴重品の輸送を行う業務を「3号警備」と呼びます。万が一の貴重品盗難などを防止し、さらに輸送員が被害に遭うこともないように慎重に警備を行います。ほかにも貴重品の安全を守るという目的がはっきりしているため、注意を広範囲に向ける必要が無いことも特徴です。
・要人の身辺警護を行う「4号警備」
国内外の政治家や実業家など、テロリストや群衆から要人を守ることを「4号警備」と呼びます。緊張感が走るお仕事ではありますが、警備対象となる要人と連携を取りながらより安全なルートや方法を選択して警備するため、チームで業務を進めやすいというメリットがあります。
◆「体力勝負」のイメージ、どこまで本当?:業務種類で見る比較
警備業務には複数の種類(区分)があり、すべてが体力勝負というわけではありません。以下に、主な区分と「体力負荷が相対的に低いか高いか」の目安を載せます。
区分・名称 | 主な業務内容 | 体力負荷(目安) | 特徴・注意点 |
1号警備 | 施設常駐型、出入り管理・巡回など | 低〜中 | 主に屋内。気象の影響が小さい。 |
2号警備 | 交通誘導、雑踏整理など | 中〜高 | 屋外での立ち仕事、移動あり。夏冬は過酷。 |
3号警備 | 貴重品輸送、防護など | 中 | 重量物を扱う場合もある。 |
4号警備 | 要人警護 | 変動 | 高緊張・対応力重視。チームワーク求められる。 |
■休憩や有給が取りやすくシフトの自由度も高い
警備業界のメリットとして体力や精神力を使う業務に就いたとしても、十分な休養やシフトの自由が利きやすい点が挙げられます。どのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
・積極的な働き方改革でしっかり休める
近年、無理な働き方をしないために推進されている働き方改革。過度な長時間労働を避けてきちんと休憩や有給を取れるようにする動きは各方面に広がっており、特に警備業界ではその動きが顕著です。もし体力・精神力を消耗する業務に就いたとしても、休憩などインターバルをしっかり取ってリフレッシュし、常に万全の状態で業務に就けるよう配慮されていることも特徴です。
また、時給制や日給制を採用していることが多い警備業界ですが、近年の働き方改革によりグリーン警備保障では、「給与が発生する有給はしっかり取らせてもらえる」ように改善が行われています。このような点から、休みを取った分だけ給与が少なくなるといった不安定さも解消されつつあります。
・いろいろな現場があるからシフトを組むのも楽
グリーン警備の現場は、場所も時間帯も実にさまざまです。休日はしっかり欲しいといったように、シフトへの希望が通りやすいこともグリーン警備のお仕事の特徴です。
■体力よりも必要なのは責任感やサービス精神
グリーン警備のお仕事は、決して体力だけが必要というわけではありません。それよりも大切なのは、「任された現場を守る」という気持ちです。
・社会の安全を守りたいという責任感があればお仕事に向いている
グリーン警備の業務や現場は実にさまざま。ですが、その中でも共通しているのは、「人や物などの安全を守り、人々が安心できる環境を作り出すこと」です。このように、「社会の安全を守る」仕事に対して意欲があれば、体力の有無が大きな問題になることはほぼありません。責任感を持って仕事を遂行できる人は、例え体力に自信がなくてもグリーン警備のお仕事に向いているといえるでしょう。
・「人の役に立ちたい」というサービス精神があるとなおよし
多くの人の役に立ちたいと考えている人も、グリーン警備で必要とされる人材です。人のために何かをする、人々の生活に喜びを与えるというお仕事も、グリーン警備の業務において実現できます。例えば、施設やイベント会場、オフィスビルやマンションなど多くの人が出入りする現場で必要となる「案内業務」では、「困っている人を自ら助ける」という状況も十分に考えられます。
また、利用者や来場者にとっては、「入口に警備員がいる」だけで安心感を抱く方も多くいらっしゃいます。こうした業務には、体力よりも「人に対するサービス精神」が求められる状況も多いため、サービス精神を持っている人は、業務上多くの場面で重宝されます。
■あなたの疑問にお答えします!
・Q&Aコーナー
Q1:夜勤・深夜勤務は必須?
A:いいえ。施設警備・入口誘導などの昼シフト中心の現場も多く、「夜勤なし可」の求人も多数見られます。
Q2:資格は最初から必須?
A:入社時点では必須でないことが多く、入社後に資格取得支援ありという会社も数多くあります。実際、令和6年末時点で “警備員指導教育責任者資格” の保持者は101,698人ですが、全警備員に対して義務化されているわけではありません。
[出典:警察庁「令和6年警備業の概況」npa.go.jp ]
Q3:体調不安あるけど続けられる?年齢制限は?
A:60代以上の警備員の事例は多数あり、年齢制限は職場によって異なります。体調管理を前提に、屋内型/移動の少ない現場を選ぶのが継続のコツです。
[出典:防犯・防災・セキュリティ対策サイト 鉄壁マモル teppeki-protect.com ]
Q4:技術革新で仕事がなくなる?
A:確かに、AIカメラ・遠隔監視・自動巡回ロボットなどの導入は進んでいます。施設警備業界でもDX化が課題とされており、変革期にあるという記事も報じられています。
[出典:警備業・ビルメンテナンス業経営.com keibi-birumen.funaisoken.co.jp ]
しかし、それらを使いこなす“監視判断力・対応力を備えた人材”のニーズは今後も残ると見られており、むしろ警備員の役割が変化・高度化する可能性があります。
まとめ
これまで警備のお仕事に就いたことのない方は、「体力的にキツいから無理だ」と考えていることも多いかも
しれません。しかし、グリーン警備における業務は、必ずしも体力が削られる仕事ばかりではありません。むしろ、体力よりも「仕事に対する意欲・マインド」が求められることの方が多いといえます。実際に50~60代のシニア世代や女性が求められ、活躍している現場もたくさんあります。
【2025年9月追記】