警備業界と「対話型AI」の未来
2023年6月5日
今回の記事では、警備業界と「対話型AI」の未来と題して、話題や賛否両論を繰り広げている「ChatGPT」などの「対話型AI」と警備業界の関係性や影響など、詳しく解説していこうと思います。
では、早速最初のセクションから行ってみましょう!
■まずは知っておきたい「対話型AI」とはどんなもの?
まずは、今さらどんなものか他人に聞けない、という方も多い『対話型AIとはどんなものなのか』という疑問の解説から進めていきましょう。
現在、さまざまな業界での活用が始まっている「ChatGPT(チャットジーピーティー)」をはじめとする「対話型AI」とは、『コンピューターとの会話を、より人間との会話に近いものにするためのAI(人工知能)』のことです。
あらかじめ『想定された回答例を覚えさせる』のとは異なり、AIが質問に対し自動で回答を行うため、人間同士のような自然な会話が実現できるとされています。
さらに、これらの自動的な会話は『自然な言語処理や機械学習』によって、会話をするほど精度も高まり、より人に近い会話や、正確な回答が可能になっています。
そして、この「対話型AI」の代表例が前述した「ChatGPT」なのですが、このAIは「OpenAI」社という一法人が研究開発を行っている「言語モデル」の一種であり、パソコンのOS(オペレーティングシステム)である「ウィンドウズ」でおなじみの「マイクロソフト社」からの出資を受けています。
「ChatGPT」は、数千万以上のウェブページや書籍、記事などから学習しているため、広範な話題について議論したり、多様なタスクを遂行したりすることが可能なのですが、現時点(記事執筆現在)では、学習元の情報が「2021年時点まで」に制限されているため、最新の情報に回答することができず、それ以外にも私たちが持つ一般的な知識や理解を超える能力はありません。
また、個別のユーザーについての情報を保存したり、個別のユーザーから過去に学習したりする能力もないのですが、それ故に「ただ現在の情報を提供するのではなく、学習した情報を元に最善の回答を提供している」ということがわかります。
これらの「対話型AI」は、すでにコールセンター、ヘルプデスク、オンラインのカスタマーサポートなど、さまざまな分野で広く活用されているだけでなく、教育、エンターテイメントなどの分野において新たな用途や活用例も見つけられています。
「人との会話が自然な形で実現できる」だけでなく「自ら学習により最適な回答を導き出して対応できる」ということもあり、精度の向上によっては警備の仕事への進出も夢ではないでしょう。
■警備の仕事とも相性が良い?と言われる「対話型AI」
そんな「対話型AI」ですが、実は「警備の仕事と相性が良いのではないか?」という声や意見が増えてきているようなのですが、おそらくその理由を見れば多くの人がその事実に納得できると考えられます。
では、ここで警備の仕事と「対話型AI」が相性抜群な理由についてまとめてみました。
【24時間体制で対応可能】
対話型AIは休みなく稼働することが可能ですので、例え警備員がいない時間でも安全に監視を続けることができます。
夜勤など警備員のパフォーマンスが心配される現場や、例え集中力が途切れたり、体調が悪い場合でもAIの働きで一貫したパフォーマンスを維持できます。
【適応能力が高い】
「対話型AI」は機械学習を利用して新しいパターンを学習し、それに適応する能力を持っていますので、異常な状況や未知のリスクに対しても迅速に対応することが可能となります。
【サポートに向いている】
「対話型AI」は人間の警備スタッフと連携して、効率的な警備活動をサポートする役割に向いています。
例えば、異常を検知した際に即警備員に通知したり、状況分析を支援したりします。
【人件費など費用削減やリスクヘッジにも役立つ】
対話型AIを用いることで、人件費の節約や長時間の監視業務に伴うスタッフの疲労を軽減することが可能となるため、コストやリスクを軽減できます。
【リアルタイムで迅速な情報提供が可能】
AIは即座に大量のデータを解析し、重要な情報を提供する能力を持っていますので、異常自体や問題の早期発見につながり、対応速度を向上させることが可能となっています。
このように「対話型AI」の可能性・ポテンシャルはかなり高いものがありますが、警備業は基本的に「人々の安全やスムーズな業務遂行を支える仕事」であるため、最も重要な「安全性」を支えるために「質や精度」が問われるようになるでしょう。
現状でこれら「対話型AI」は、警備の仕事をパートナーとして支えられるだけの信頼感・安定感には乏しい一面もありますので、早期に次々と警備業界へ導入されることはないでしょう。
しかし、将来的には大いに期待できる存在であることに変わりはないため、警備業界の明日を判断する上で重要な「キーポイント」だと考えられますね。
■将来的には「AI」の判断で交通量を予測するようになる?
私たちグリーン警備保障は、当ブログの過去回などでもご紹介しているように「交通誘導警備」が主な仕事になっています。
そういう立場をサポートする上で、対話型に限らない「AI」の活用方法として期待されているのが「交通量の予測」です。
交通誘導警備の現場では、交通量が増えるほど交通事故や渋滞、駐車場の混雑などのリスクが高まりますが、交通整理や監視、駐車場の管理を行う前段階で、過去の膨大なデータから「AI」が事前に交通量を予測し、必要な人員の設定などを行うなどの活用法が考えられます。
また、事前予測の他にも、突発的な状況を瞬時に判断し、迅速に対応するケースなど、特性上「AI」が得意とする状況・シチュエーションが「交通誘導警備」には多々あるため、将来的にこの分野への「AI」の進出も十分にありえます。
いずれは、交通量や混雑量などの膨大なデータを処理し、蓄積されたデータを元に警備の仕事が構成されていく未来となるかもしれませんね。
■明日の警備の仕事をサポートしてくれる存在へ
最後となるこちらのセクションでは、今回取り上げた「対話型」をはじめ、さまざまな「AI」が、私たちの警備の仕事をサポートしてくれる未来の可能性に関するお話をいくつかご紹介して、当記事の締めとしていきましょう。
前のセクションでも取り上げた通り、今後は「交通誘導警備」だけに限らず、さまざまな「AI」のサポートによって、警備の仕事はいろいろと様変わりすることでしょう。
しかし、現状の「AI」技術だけでは不安な要素も多く、以下のような問題点を乗り越える必要があります。
【精度・安全性の向上】
異常行動や危険状況をより早く正確に検知するため、「AI」のセンサーや映像認識技術の精度を向上させることが不可欠になります。
【より現実的なシミュレーション】
「AI」の学習のために、実世界での状況を模倣したリアルなシミュレーションデータが相当量必要になるでしょう。
【自律的な意思決定】
「AI」には監視や通報だけでなく、特定の状況で自律的に適切な行動を取る能力も必要になってくるはずです。
【専門的なAIオペレーターの確保】
「AI」が最大の効果を発揮するためには、その実力を継続して発揮させられる「専門的な人材」が求められるようになります。
【セキュリティの確保】
精度や安全性が求められる警備業界の「AI」は、ハッキングや悪意ある攻撃から安全であることが非常に重要になるでしょう。
そのためには十分なセキュリティが確保されていなければ、残念ながら「AI」自体が最大のリスク要因になってしまうケースもありえます。
このように、「AI」が明日の警備の仕事をサポートしてくれる存在へと至るには、まだまだ問題点が多くありますが、これらの問題が解消できた暁には、私たちの仕事のパートナーとして「AI」が活躍する日が来るかもしれません。
■まとめ:「対話型AI」をはじめ、さまざまな技術革新を視野に入れるグリーン警備保障の仕事をはじめるなら今!
さて、皆さん、今回の警備業界と「対話型AI」の未来は、いかがでしたか?
話題になってはいるものの、まだまだ社会的に貢献できる存在として浸透しきっておらず、賛否両論さまざまな意見が聞かれる「対話型AI」ですが、おそらく今後、いろいろな分野で急速に「ブレイク」を果たす可能性が高い、とも言われています。
当記事をきっかけにグリーン警備保障のお仕事が気になった方は、未経験者でも働きやすい、グリーン警備保障へのご応募を検討してみてはいかがでしょうか?